2018年09月30日

近代私法の三原則は、権利能力平等の原則、所有権絶対の原則、私的自治の原則

近代私法は、市民革命によって、封建主義が否定されたことに始まる。
すなわち、すべての人間の自由、平等を実現するために、私法が作られたわけだが、私法の原則というべきものが、権利能力平等の原則、所有権絶対の原則、私的自治の原則の三原則である。

権利能力平等の原則とは、すべての自然人は等しく、権利義務の主体となる資格を有していることを意味している。
かつては、自然人であっても、奴隷とされたり、奴隷的地位にあって、権利を否定された者もいたが、市民革命によって、すべての自然人が生まれながらにして、平等に権利能力を有することという理念が打ち立てられた。
民法の条文にも、次のように定められている。

第三条 私権の享有は、出生に始まる。
2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

この規定は、権利能力平等の原則を宣言したものと言える。

所有権絶対の原則とは、所有権は、何人に対しても主張するこどかでき、他人がその所有物に対する支配を干渉することはできないとする原則である。
他の私人はもちろん、国家といえども、所有権を犯すことはできないとされている。
この原則も、民法及び憲法の規定に見出すことができる。

まず、憲法には次のように定められている。

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。
○2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
○3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

第二十九条1項の規定がそれである。そして、これを受けて、民法に次の定めが設けられている。

(所有権の内容)
第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

所有権絶対の原則により、資本主義社会の存立が法的に保障されているとも言える。

私的自治の原則とは、私的な法律関係については、個人は自らの自由意志に基づいて、自由に法律関係を形成できるという原則である。

この原則は、契約自由の原則、過失責任の原則も含んでいる。
契約自由の原則とは、契約を締結するかしないか、誰と契約を締結するか、どのような内容の契約を締結するのかという点について、自由に決定できるとするものである。もちろん、その前提として契約を締結するためには、自由意志に基づかなければならないということになる。

過失責任の原則とは、他人に損害を与えた場合に、その者が損害賠償責任を追わせられるには、加害者に何らかの帰責事由、つまり、故意や過失がなければならないとするものである。

この2つの原則により、資本主義社会が高度化したのである。

posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 16:26| 民法