2018年11月08日

制限能力者制度の意義

民法は、一般的に、意思能力を有しない者や意思能力の不十分な者を定型化して、制限能力者とし、行為能力を制限している。
これらの者が単独でした法律行為については、意思能力の有無を問題とせずに、常に取り消しすることができるものとし、これらの者の行為能力を補充するための保護者をつけることとした。

これが制限能力者制度である。

そもそも、意思能力がない者が法律行為をしたとしても、無効とされている。
民法にも次の規定が設けられている。

第二節 意思能力
第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

ならば、このような制限能力者制度は、なぜ、設けられているのだろうか?

それは、法律行為の時に、意思能力がなかったことの立証が困難な場合が多いからである。

そこで、先手を打って、制限能力者であるとしておけば、意思能力がなかったことを立証するまでもなく、法律行為を取り消すことができ、その人の保護に資することになるというわけである。

一方、取引の相手方としても、制限能力者であることが予めわかっていれば、取り消されるかもしれないということを警戒して、慎重に取引を行うことができる。

posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 19:15| 民法