2018年12月03日

成年被後見人の法律行為の取り消し

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができるとされている。
次の条文の通り。

(成年被後見人の法律行為)
第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

但し書きにあるとおり、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、取り消すことができるとは限らない。
もちろん、意思能力がない状況では、日用品の購入その他日常生活に関する行為でも、無効であることは言うまでもない。

取り消しの対象となる行為は、財産上の法律行為に限られる。とされている。
つまり、身分上の行為については、成年被後見人といえども、意思能力があれば、単独ですることができ、成年後見人の同意も必要ない。
例えば、婚姻について次の規定が設けられている。

(成年被後見人の婚姻)
第七百三十八条 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。

成年被後見人のした財産上の行為について、取消権を行使しうるのは、誰か?
まず、成年後見人が取り消しうることは当然である。
次の条文の通り。

(取消権者)
第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

では、成年被後見人自身は取消権を行使できるのか?
通説は、成年被後見人自身も取り消しうるとしている。もちろん、取消権の行使も法律行為であるから、意思能力のあるときに行使する必要があることは言うまでもない。




posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:04| 民法