2019年02月07日

補助開始の審判と友にする同意権付与の審判

家庭裁判所は、補助人や補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。
次の条文のとおりである。

(補助人の同意を要する旨の審判等)
第十七条 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

なお、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。とされている。
第十三条第一項に規定する行為というのは、保佐人の同意を要する行為の規定である。
次の通り。

(保佐人の同意を要する行為等)抜粋
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。

第十三条第一項に規定する行為のすべてについて補助人の同意を要する旨の審判をすることはできないし、第十三条第一項に規定されていない事項について、補助人の同意を要する旨の審判をすることもできない。
第十三条第一項に規定する行為のすべてについて同意を要するものとするのであれば、保佐開始の審判を申し立てるべきということになる。

これらの規定によって同意を要するものとされた行為を被補助人がその同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

なお、補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。とされている。このあたりは、保佐人の制度と同様である。

唯一違う点は、本人以外の者の請求により補助人の同意を要する旨の審判をするには、本人の同意がなければならない。ということである。自己決定権の尊重の観点から、この規定が設けられたとされている。

posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 22:47| 民法