2019年02月19日

権利の主体 1−1 司法試験入門 択一式民法

「最近の宅建士試験や行政書士試験とかの過去問を研究していると、司法試験の過去問をブラッシュアップして作成しているんじゃないかと思われる問題が、いくつか見当たるのよね」
胡桃の言葉に建太郎は瞠目した。
「まさか、いくら何でも難易度が高くなっていても、司法試験レベルの問題は出ないでしょ」
「資格スクールとかで、しっかり勉強している受験生が増えているから、一昔前よりも、受験生のレベルも上がっているのよ。となれば、問題も難しくしていくしかないでしょ」
「でも、さすがに、司法試験はないんじゃない……」
「とりあえず、宅建士試験や行政書士試験の過去問を全部やってしまって、やる問題がなーいならば、司法試験の問題も、ちょっとやってみるのもいいと思うわ。軽いトレーニングにね」
「軽いトレーニングだって?」
「早速、最初の問題から」


次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

1、未成年者の法定代理人は、未成年者の了解を得なくても、また、やむをえない事情がない場合でも、復代理人を選任できる。
2、未成年者が、単独で売買契約を締結した後、成年に達してから、代金を受領すると、この契約は追認されたものとみなされる。
3、未成年者が、口頭による贈与契約を書面によらないものであることを理由に取り消す場合、法定代理人の同意が必要である。
4、未成年者が、単独で売買契約を締結して内金を受領した後で、この契約が取り消された場合でも、内金を生活費に充てた場合は、内金相当額を返還する必要はない。
5、未成年者が小売商の営業許可を受けていたが、営業に堪えない事跡があるため、法定代理人がその許可を取り消した場合でも、未成年者はその営業に関して、既に為していた商品の仕入れの申し込みを、制限能力を理由として取り消すことはできない。

胡桃「司法試験としては、最も優しいレベル問題だわ」
建太郎「えっ……。これが優しいの……」
胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「これは条文レベルだな」

(法定代理人による復代理人の選任)
第百六条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

建太郎「法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。ことになっている。それに対して、任意代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。ということなんだよな」

(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

胡桃「そうね。司法試験でも条文レベルの問題がでているということよ」
建太郎「へえ……。意外だな」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「代金の受領が法定追認に該当するかどうかの問題だな」

(追認の要件)
第百二十四条 追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。
2 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。
3 前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

(法定追認)
第百二十五条 前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一 全部又は一部の履行
二 履行の請求
三 更改
四 担保の供与
五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六 強制執行

胡桃「そうね。判例はどう判示していたかしら?」
建太郎「全部又は一部の履行に代金の受領も含むんじゃなかった」
胡桃「その通りよ。次、3はどうかしら」
建太郎「単に権利を得、又は義務を免れる法律行為に該当するから法定代理人の同意は必要ないんじゃない」

(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

胡桃「その通りよ。4はどうかしら?」
建太郎「返還義務の範囲の問題だな」

(取消しの効果)
第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

建太郎「制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。とあるから、浪費した場合は返還しなくていいけど、生活費に充てた場合は、本来支払うべき額が形を変えて残っていることになるから、返還義務があることになるよな」
胡桃「そうね。判例もそう判示しているわ。次、5はどうかしら?」
建太郎「その通りでいいよな。営業許可の取り消しは、撤回の意味なんだよな。だから、未成年者がした取引行為まで否定されるわけではない」

(未成年者の営業の許可)
第六条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

胡桃「というわけで、答えは?」
建太郎「125の三つだな」




胡桃や建太郎が登場する楽しい教材は以下です。

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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 08:33| 司法試験入門問題