2019年03月12日

権利の変動 1−13 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、Aの詐欺により、Bがその所有する土地をCに売却した場合において、Cが詐欺の事実を知っている時は、Bは、詐欺を理由に土地の売買契約を取消すことができる。

2、Aの強迫により、Bがその所有する建物をCに売却した場合において、Cが強迫の事実を知らないときは、Bは、強迫を理由に建物の売買契約を取消すことができない。

3、Aの詐欺により、Bはその所有する土地をAに売却し、登記も移転した。その後、AがCのために抵当権を設定し、登記もした場合において、Cが詐欺の事実を知らず、このことに過失がないときは、Bは、詐欺を理由とする売買契約の取消をCに対抗できない。

4、Aの詐欺により、一番抵当気者Bは、抵当権を放棄したが、詐欺を理由に、その放棄を取消した。この場合において、二番抵当権者Cが詐欺の事実を知らないときは、Bは、取消をCに対抗できない。

5、Aの詐欺により、Bは、その所有する建物をAに売却し、AはこれをCに賃貸した。その後、Bが詐欺を理由に売買契約を取消した場合において、Cが詐欺の事実を知らず、このことに過失がないときでも、Bは、Cに対して、建物の明け渡しを請求することができる。


建太郎「むむっ。簡単そうに見えてややこしくないか?」
胡桃「そんなことないわ。基本問題よ」
胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「第三者による詐欺の問題だな。第九十六条不2項のとおり、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。と」

民法
(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

胡桃「そうね。2はどうかしら?」
建太郎「強迫の場合は、第九十六条2項の規定が適用されないという話だよな。第九十六条2項は、詐欺についてだけ、規定している」
胡桃「そうね。反対解釈をするわけね。3はどうかしら?」
建太郎「正しいな。第九十六条3項の問題だ。善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。と」
胡桃「そうね。売買契約によって所有権が移転した場合が典型例だけど、抵当権を設定した場合の抵当権者も、第三者に含まれることを押さえてね」
建太郎「OK」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「これはちょっとよく分からない」
胡桃「第三者の定義の問題よ。次のように解されているわ」

詐欺による取消により反射的に利益を得た者は、第三者に含まれない。

建太郎「おう……」
胡桃「すると、設問の二番抵当権者はどうかしら?」
建太郎「第三者に当たらないことになると?」
胡桃「正解よ。古い判例もそう解しているわ(大判明治33年5月7日)」
建太郎「判例なんだな」
胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「所有権ならわかるけど、賃借権? しかも、賃借権の登記はしていないんだよな?」
胡桃「これも第三者とはどういう人かの問題ね。次のように解されているわ」

詐欺による意思表示によって生じた法律関係に基づき、新たに利害関係を取得した者のこと。

胡桃「所有権を取得した場合は、当然含まれるのは分かるわね」
建太郎「OK」
胡桃「抵当権も含まれたわね」
建太郎「おう。すると、賃借権も含まれるのか?」
胡桃「そうよ。登記をしているかどうかに関係ないのよ」
建太郎「じゃあ、賃借人に対して、建物の明け渡しを求めることはできないと」
胡桃「そうなるわね。ということで、答えは?」
建太郎「正しいのは、1と3だな」


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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 23:09| 司法試験入門問題