2019年04月15日

権利の変動 1−30 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、間違っているものはどれか。

1、代理権のないBが、Aの代理人と称して、AC間の契約を解除する旨の意思表示をCに対してした。この場合において、CがBが無権代理行為をすることについて、同意したり代理権について争わないという事情がない限り、AがBの行為を追認したとしても解除は有効とならない。

2、代理権のないBがAの代理人と称して、Aの不動産をCに売却したが、その後、Aは、右不動産を自らDに譲渡した。この場合、その後、AがBの行為を追認したとしても、民法116条但書により、Dが不動産の所有権を取得する。

3、代理権のないBがAの代理人と称して、Aの不動産をCに売却したところ、CはAに対して、相当の期間を定めて、追認するかどうかを催告した場合、Aが催告期間を徒過した時は、Aは追認したものとみなされる。

4、3の事案で、CのAに対する催告は、催告期間の経過前で、Aの追認又は追認拒絶があるまで、撤回することができる。

5、代理権のないBがAの代理人としてAの不動産をCに売却した。この場合、CがBに対して、無権代理人の責任を追及した時、Bは、表見代理が成立して契約の効果が、Aに帰属するから、自分は責任を負わない旨を主張できない。

胡桃「何の問題か分かるわね」
建太郎「無権代理の問題だな。しかし……ややこしいな」


胡桃「まず、1は、どうかしら?」
建太郎「うーん……。どう考えたらいいんだ?」
胡桃「解除の性質を考えてね。解除はどういう行為かしら?」
建太郎「あっ。単独行為だな」
胡桃「そうね。単独行為でも、相手方のある単独行為だというのは分かるかしら?」
建太郎「そうだな。解除の意思表示は相手方に対してしなければ意味がないからな」
胡桃「ということは、無権限で能動代理行為がなされた場合に追認を認めることは、一方的意思表示によって、相手方を不安定な状態に貶めることを意味しているのよ」
建太郎「おう?」
胡桃「そこで、相手方が同意したり、代理権の有無を争わなかった場合に限って、無権代理の規定が適用されることと解されているのよ」
建太郎「すると、1は正しいんだ?」
胡桃「そう。正しいのよ。次、2はどうかしら?」
建太郎「次の条文の問題だな」

民法
(無権代理行為の追認)
第百十六条 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

建太郎「この条文が適用されて、Dが保護されるのかという問題だな」
胡桃「どう考えたらいいかしら?」
建太郎「Dは保護されないな。二重譲渡と同じ関係になるから、177条の対抗問題として処理されると」4

民法
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

胡桃「そうね。登記を先に備えた方が勝つということになるわ。次、3はどうかしら?」
建太郎「条文問題だな」

民法
(無権代理の相手方の催告権)
第百十四条 前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

建太郎「条文通り、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。とされている」
胡桃「そうね。4はどうかしら?」
建太郎「うーん? これは正しいのか?」
胡桃「正しいわ。撤回は、原則として、皇位の終局的法律効果が発生しない限り、許されると解されているのよ。だから、設問の場合は、催告期間経過前で、本人が追認又は追認拒絶をするまでは、相手方は催告を撤回することができることになるのよ」
建太郎「なるほどな」
胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「これは認められないだろ。判例の問題だっけ?」
胡桃「そうね。判例を確認しておくわよ」

表見代理は本来相手方保護のための制度であるから、無権代理人が表見代理の成立要件を主張立証して自己の責任を免れることは、制度本来の趣旨に反するというべきであり、したがつて、右の場合、無権代理人は、表見代理が成立することを抗弁として主張することはできないものと解するのが相当である。(最判昭和62年7月7日)

胡桃「ということで答えは?」
建太郎「間違いは、2と3だな」




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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 09:01| 司法試験入門問題