2019年04月16日

権利の変動 1−31 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、Bは、代理権がないにもかかわらず、Aの代理人と称して、Cと契約を締結したところ、Aは、Bに対して、無権代理の追認をした。この場合において、Cは、AがBに対して、無権代理の追認をしたことを知っていたが、追認は、相手方に対して為されなければそれを対抗することはできないから、AはCに対して追認の効果を主張することはできない。

2、Bは、代理権がないにもかかわらず、Aの代理人と称して、Cと契約を締結した。この場合において、CがBに代理権のないことを知らなかったが、知らないことについて、過失があった場合は、CはAに対して、追認するかどうかを催告することはできない。

3、Bは代理権がないにもかかわらず、Aの代理人と称して、Cと契約を締結した。この場合において、CがBに代理権のないことを知らなかったが、知らないことについて、過失があった時でも、Cは、契約を取消すことができる。

4、Bは、代理権がないにもかかわらず、Aの代理人と称して、Cと契約を締結した。この場合において、Cが、Bに代理権がないことを知らなかったが、知らないことについて、過失があったとしても、CはBに対して、無権代理人の責任を追及して、損害賠償請求をすることができる。

5、Bは、代理権がないにもかかわらず、Aの代理人と称して、Cと契約を締結した。この場合において、Cは、Bが自己に代理権があると信じたことにつき、過失がなくても、Bに対して損害賠償請求をすることができる。




胡桃「何の問題か分かるわね?」
建太郎「無権代理に関する条文の問題だな」
胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「間違いだな。次の条文のとおり」

(無権代理)
第百十三条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

建太郎「2項に、追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。とあるとおりだ」
胡桃「そうね。条文の知識を問うだけの問題だわ。2はどうかしら?」
建太郎「間違いだな。催告は、善意、悪意を問わずにできると」

(無権代理の相手方の催告権)
第百十四条 前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

胡桃「そうね。条文上、過失や善意悪意を問う文言はないわね。次、3はどうかしら?」
建太郎「正しいな。相手方からの取消しができないのは、相手方が悪意の場合に限ると」

(無権代理の相手方の取消権)
第百十五条 代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。

胡桃「そうね。4はどうかしら?」
建太郎「相手方からの損害賠償請求は、善意無過失でないとできないよな。無権代理人の責任が無過失責任であることとの均衡を図るためだ」
胡桃「そうね。これについては改正法によって、条文が変わっているからチェックしておくのよ」

(無権代理人の責任)
第百十七条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

建太郎「OK」
胡桃「次、5はどうかしら?」
建太郎「正しいな。無権代理人の責任は、無過失責任だ」
胡桃「そうね。ということで答えは?」
建太郎「正しいのは、3と5だな」




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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 08:56| 司法試験入門問題