2019年04月25日

権利の変動 1−36 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、甲の息子乙は、代理権がないにもかかわらず、甲の代理人と称して、甲所有の不動産を丙に売却した。その後、甲が死亡し、乙が甲を相続した場合、乙は無権代理行為の追認を拒絶できる。

2、甲の息子乙は、代理権がないにもかかわらず、甲の代理人と称して、甲所有の不動産を丙に売却した。その後、乙が死亡して、甲が乙を相続した場合は、甲は無権代理行為の追認を拒絶できる。

3、甲の息子乙は、代理権がないにもかかわらず、甲の代理人と称して、甲所有の不動産を丙に売却した。その後、甲は、無権代理行為を追認しない旨を丙に表示した後で、死亡した。乙が甲を相続した場合は、無権代理行為は有効となる。

4、甲の息子乙は、代理権がないにもかかわらず、甲の代理人と称して、甲所有の不動産を丙に売却した。その後、甲が死亡し、乙と甲の妻丁が甲を共同相続した。丁が無権代理行為の追認を拒絶した場合でも、乙の相続分の限度で、無権代理行為は当然に有効になる。

5、甲の息子乙は、代理権がないにもかかわらず、甲の代理人と称して、甲所有の不動産を丙に売却した。その後、乙が死亡し、甲と甲の妻丁が乙を共同相続した。さらに甲も死亡して、丁が甲を相続した場合は、丁は無権代理行為の追認を拒絶できない。



胡桃「これは何の問題か分かるわね」
建太郎「無権代理と相続の問題だな。いくつかの判例があったと」


胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「相続によって、本人が自ら行為したのと同様の地位が生じるから、無権代理行為は有効になると」

無権代理人が本人を相続し、本人と代理人との資格が同一人に帰するにいたつた場合には、本人がみずから法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当である。(最判昭和40年6月18日)

胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「正しいな。次の判例のとおり」

本人が無権代理人の家督を相続した場合、被相続人の無権代理行為は、右相続により当然には有効となるものではない。(最判昭和37年4月20日)

胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「本人が追認を拒絶した以上、その時点で、無権代理が確定するよな。その後相続が生じてもその効果に変動はないと」
胡桃「そうね。次の判例を押さえておいてね」

本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではない。(最判平成10年7月17日)

胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「間違いだな。共同相続人の一人でも追認を拒絶していれば、有効な代理行為にならないと」

無権代理人が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるものではない。(最判平成5年1月21日)

胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「正しいな。まず最初に無権代理人の地位を相続しているわけだから、丁は無権代理人と同様の立場になると、その後で、本人を相続しているわけだから、無権代理人が本人を相続した場合と同じに解釈するんだよな」
胡桃「そうね。次の判例をおさえておいてね」

無権代理人を本人とともに相続した者がその後更に本人を相続した場合においては、本人が自ら法律行為をしたと同様の法律上の地位ないし効果を生ずるものと解するのが相当である。(最判昭和63年3月1日)

胡桃「ということで答えは?」
建太郎「正しいのは、2と5だな」




建太郎&胡桃コンビが登場する楽しい教材はこちらです。





●【公務員、宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説

難化する一方の行政書士、司法書士試験の民法を攻略するためのポイントは、試験科目の条文と判例を徹底的に読み込むことです。
条文と判例の知識の量によって行政書士、司法書士試験の合否が左右されると言っても過言ではありません。
とは言え、判例六法等で、民法の第一条から読み込んでいくのは、きついものがあります。
このテキストは、会話文形式で、民法の第一条から第千四十四条まで学ぶことができます。条文を一通り読むと同時に、重要な判例知識を学ぶことができます。




→ 【公務員、宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法入門 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 民法総則編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 物権法編・担保物権法編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 債権総論編 現行法版 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 債権各論編 現行法版 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 親族法編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 相続法編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 民法総則編 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 債権総論編1 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 債権総論編2 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))


posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 09:00| 司法試験入門問題