2019年05月31日

権利の変動 1−45 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものはどれか?

1、金銭の消費貸借契約において、債務者の貸金返還債務の履行期を債務者が出世した時とするのは停止条件付債務である。

2、期限の利益はその利益を受ける者が自由に放棄することができるが、期限の利益が債権者と債務者の双方にあるときは、相手方の同意を得なければ放棄できない。

3、債務者に何ら故意、過失がない場合でも、債務者が担保を毀滅したり、減少させた場合は、債務者は期限の利益を失う。

4、債権者と債務者の双方に期限の利益がある場合、債務者の期限の利益の喪失により、債権者は、債務者に対して直ちに履行を請求することができるが、それにより、自らの期限の利益も失う。

5、割賦払い債務で一回でも弁済を怠ると期限の利益を喪失するとの特約がある場合は、債務者が債務不履行をすると、残債務全額について、直ちに弁済期が到来する。



建太郎「むむっ……。簡単そうに見えて、難しくないか」
胡桃「そうかしら? 基本的な問題だわ」

胡桃「まず、1はどうかしら」
建太郎「いわゆる出世払いの債務だな。判例は、停止条件付債務ではなくて、不確定期限付き債務と解しているんだよな」
胡桃「そうね。有名な話だわ。次、2はどうかしら?」
建太郎「うーん。これは正しいのか?」
胡桃「まず、この問題がどの条文の問題かわかるわね」

民法
(期限の利益及びその放棄)
第百三十六条 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
2 期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。

建太郎「この条文だな。第百三十六条2項。ただし、これによって相手方の利益を害することはできないとあるとおりだ」
胡桃「そうね。具体的にはどうすればいいのかしら?」
建太郎「期限までの利息を支払えばいいんだよな」
胡桃「その際、相手方の同意を得なければならないのかしら?」
建太郎「うーん……。特にそんなことは書かれていないよな」
胡桃「そうね。ということは、相手方の同意は必要ないということなのよ」
建太郎「じゃあ、間違いなんだ」
胡桃「そうよ。3はどうかしら?」
建太郎「次の条文の問題だな」

民法
(期限の利益の喪失)
第百三十七条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。

胡桃「問題は、債務者に何ら故意、過失がない場合でも、この条文が適用されるのかということだけど」
建太郎「うーん。特に規定がないよな。ということは、債務者の故意、過失は問わないと」
胡桃「そうね。次、4はどうかしら?」
建太郎「うーん。債権者の期限の利益まで失われるという話にはならないのか?」
胡桃「当然だわ。売買代金の支払いの期限と、商品の引き渡しの期限が定められていたとして、売主が期限の利益を喪失したことによって、商品を予定より早く支払わなければならないことになったとして、売買代金の支払いの期限まで早まるというのはおかしいでしょ」
建太郎「なるほど、そう考えるとおかしいとわかるな」
胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「間違いだな。残債務全額について、直ちに弁済期が到来するわけではないと。その旨の意思表示が必要なんだよな」
胡桃「そうね。債権者が全額について一時の支払いを求めて、期限の利益を喪失させる旨の意思表示をしないときは、債務者は依然として期限の利益を有するということよ」
建太郎「なるほどな」
胡桃「ということで答えは?」
建太郎「正しいのは、3だな」




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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 22:12| 司法試験入門問題