2019年06月05日

時効 1−48 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の問答の正誤を答えよ。

問答1
胡桃「民法166条1項二号によると、消滅時効は、権利を行使することができる時から進行することになっているけど、債権者が権利を行使することができるってどういう意味?」

建太郎「一般に、法律上の障害がなくなった時を意味しているよな。例えば、期限付き再建において、期限が到来した場合だ」

問答2
胡桃「同時履行の抗弁権は、法律上の障害にあたるかしら?」

建太郎「あたるな。債務者は同時履行の抗弁権を主張して、債務の履行を拒絶できるんだから」

問答3
胡桃「Aさんが死亡後1年以内に履行すべき債務をBさんが負担した場合は、この債権の消滅時効の起算点は何時かしら?」

建太郎「Aが死亡したことをBが知った時から5年。あるいは、10年と考えていいんじゃないか」

問答4
胡桃「AB間の売買契約がBの責めに帰すべき事由によって履行不能となった。この場合Aの取得する損害賠償請求権の消滅時効の起算点は何時かしら?」

建太郎「履行不能による損害賠償請求権は、本来の履行請求権が変形したものだから、本来の債務の履行を請求できる時が、消滅時効の起算点になるな」

問答5
胡桃「じゃあ、不法行為に基づく損害賠償請求権の短期消滅時効の起算点は何時かしら?」
建太郎「被害者またはその法定代理人が、加害者または損害をした時だな」



胡桃「建太郎ったら、全然わかっていないじゃないの!」
建太郎「えっ。全部正解じゃないのか?」
胡桃「一つ一つ確認するわよ。まず、1は?」
建太郎「正しいだろ」
胡桃「そうね。これは正しいわ。2はどうかしら?」
建太郎「正しくないのか」
胡桃「間違いよ。債務者が同時履行の抗弁権を主張していても、債権者としては債権を行使できる状態にあることに変わりはないわ。債権者としては、自分の債務を履行してから、相手方に対して債務の履行を求めれはいいだけでしょ」
建太郎「なるほどな」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「正しいだろ」
胡桃「5年間の消滅時効については正しいわ。次の条文の通りね」

民法
(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

建太郎「おう」
胡桃「でも、10年の方は間違いよ」
建太郎「じゃあ、Aが死亡した時から進行するということか」
胡桃「そうよ。短期消滅時効と長期消滅時効とでは起算点が違うことを押さえるのよ」
建太郎「なるほどな」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「これは判例があったんじゃなかった」

契約に基づく債務について不履行があったことによる損害賠償請求権は、本来の履行請求権の拡張ないし内容の変更であって、本来の履行請求権と法的に同一性を有すると見ることができるから、債務者の責めに帰すべき債務の履行不能によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求し得る時からその進行を開始するものと解するのが相当である(最判平成10年4月24日)

胡桃「そうね。5はどうかしら?」
建太郎「ええっと……。間違いだった」
胡桃「そうね。条文レベルの話だわ」

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

建太郎「損害及び加害者を知った時が正しいんだな」
胡桃「ほんとに間違いだらけだわ。勉強しなおしなさいよね!」
建太郎「おう……」



建太郎&胡桃コンビが登場する楽しい教材はこちらです。





●【公務員、宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説

難化する一方の行政書士、司法書士試験の民法を攻略するためのポイントは、試験科目の条文と判例を徹底的に読み込むことです。
条文と判例の知識の量によって行政書士、司法書士試験の合否が左右されると言っても過言ではありません。
とは言え、判例六法等で、民法の第一条から読み込んでいくのは、きついものがあります。
このテキストは、会話文形式で、民法の第一条から第千四十四条まで学ぶことができます。条文を一通り読むと同時に、重要な判例知識を学ぶことができます。




→ 【公務員、宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法入門 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 民法総則編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 物権法編・担保物権法編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 債権総論編 現行法版 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 債権各論編 現行法版 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 親族法編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 相続法編 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 民法総則編 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 債権総論編1 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 債権総論編2 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))


posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 22:18| 司法試験入門問題