2019年06月20日

時効 1−53 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

1、AはBに対する債権をCに譲渡した。その後、AがBに対して、その譲渡の通知をすると、債権の消滅時効完成猶予の効力が生じる。

2、成年被後見人BがAに対する債務を承認した場合において、成年後見人がその承認を取り消した場合は、債権の消滅時効完成猶予の効力が生じない。

3、AのBに対する債権について、Cはその所有する土地にAのために抵当権を設定した。この場合、Aによる抵当権の実行があると、被担保債権の消滅時効は中断するが、時効中断の効力発生時は、競売申し立ての時にさかのぼる。

4、AはBに100万円の貸金債権を有していた。弁済期から3年後にBが30万円の弁済をした場合は、これにより残額の70万円について消滅時効完成猶予の効力が生じるが、30万円の弁済の時点から新たに消滅時効が進行する。

5、AはBに対する債権について履行を求める訴えを提起したが、この訴えが棄却された場合でも、債権の消滅時効完成猶予の効力が生じる。


胡桃「これも基本的な問題だわね」
建太郎「おう。簡単だな」

胡桃「1はどうかしら」
建太郎「そんなわけないよな」
胡桃「どうしてかしら?」
建太郎「債権譲渡の通知は、債権を譲渡したことを知らせる事実の通知または観念の通知に過ぎないからだな。権利を主張するものではないから、請求には当たらないと」
胡桃「2はどうかしら」
建太郎「正しいな。次の条文の解釈だ」

(承認による時効の更新)
第百五十二条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

建太郎「判例は、承認には管理の能力が必要だから、管理能力を有しない未成年者や成年被後見人の承認は取り消すことができるとしているんだよな(大判昭和13年2月4日)」
胡桃「そうね。3はどうかしら」
建太郎「間違いだな。次の判例の通り」

物上保証人に対する不動産競売において、被担保債権の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に送達された時に生ずる。(最判平成8年7月12日)

胡桃「4はどうかしら」
建太郎「正しいな。一部弁済は債務の承認にあたるとされている。それから、消滅時効の進行については第百五十二条1項の通り」
胡桃「5はどうかしら」
建太郎「間違いだな。次の条文の通り」

民法
(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

胡桃「ということで答えは」
建太郎「正しいのは、2と4だな」





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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 20:35| 司法試験入門問題