2019年04月10日

権利の変動 1−27 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

Aから土地買い入れの代理権を与えられたBがCとその所有する土地を購入する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、BはAの代理人としてCと取引をしたが、自己の利益を図るつもりであった場合、Bの行為は、本人のためにするものと言えないので、その効果が、Aに帰属することはない。

2、Bは、自己の名でCと取引したが、その効果をAに帰属させる目的であった。Cが代理権の存在を知り得ない場合でも、Bが内心の意思との不一致を理由として、錯誤無効を主張すると、取引の効果は、Bに帰属しない。

3、Bが自己の名でCと取引したが、Bが代理人として行為していることをCが知り得た場合は、その効果は、Aに帰属する。

4、Bは、自己の名でCと取引したが、Cは、BがAから代理権を与えられていることを知っていた。この場合、取引の効果はAに帰属する。

5、BがAになりすまして、Cと取引した場合に、CがBをAと誤信した時、取引の効果がAに帰属することがある。


胡桃「これも簡単だわ」
建太郎「えっ。簡単か?」続きを読む
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 08:40| 司法試験入門問題

2019年04月09日

不在者の財産の管理 家庭裁判所のした処分命令の取り消し

本人が後日、管理人をおいた場合は、家庭裁判所の命じた処分は不要となる。
そこで、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。とされている。
民法第二十五条2項のとおりである。

民法
(不在者の財産の管理)
第二十五条 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。


また、本人が後日、管理人をおいた時だけでなく、本人が自ら財産を管理できるようになった時やその死亡が分明となり、もしくは失踪宣告がなされた時も家庭裁判所は、本人又は利害関係人の申し立てによって、命じた処分を取り消すことになる。
次の条文の通り。

家事事件手続法
(処分の取消し)
第百四十七条 家庭裁判所は、不在者が財産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったときその他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、不在者、管理人若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、民法第二十五条第一項の規定による管理人の選任その他の不在者の財産の管理に関する処分の取消しの審判をしなければならない。

posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 23:39| 民法

権利の変動 1−26 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、問屋や仲買人が本人に代わって行った取引は、その法的効果が直接に本人に帰属する点で、代理と共通する。

2、代理は自ら意思決定する権限を有している点において、使者と異なる。

3、本人の意思と、代理人の意思表示若しくは使者の表示との間に食い違いがあるときは、両者の場合とも、表示の錯誤と同視できる。

4、法人の代表機関の行為の効果は、意思表示や法律行為のみならず、不法行為も本人に帰属する点で、代理と異なる。

5、代理人による占有は、その効果である占有権が本人に帰属する点で代理と共通する。したがって、代理人による占有は、代理の一種とみることができる。


胡桃「これも簡単だわね」
建太郎「えっ……。簡単か?」

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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 09:16| 司法試験入門問題

2019年04月08日

権利の変動 1−25 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、法定代理人の権限は、法律の規定に基づいて発生するが、その権限の範囲は、当事者の合意によって、決定される。

2、権限の定めのない代理人は、保存行為と利用行為のみ行うことができる。

3、権限の定めのない代理人は、処分行為を行うことができない。したがって、腐敗しやすい物を売却して金銭に変えることは、処分行為に当たるので、権限の定めのない代理人は、これを行うことができない。

4、契約において、当事者の一方が、他方の代理人となることは、当事者間の公平を害することになるので、法律の規定がある場合を除いて、認められない。しかし、本人の同意があれば、このような代理も有効となる。

5、復代理人の行為の効果は、直接に本人に帰属する。したがって、復代理人の権限の範囲は代理人の権限の範囲に拘束されるものではない。

胡桃「これは簡単だわね」
建太郎「おう。司法試験でもこんなに簡単なのか?」
胡桃「まずは基本を押さえることよ。宅建だろうと司法試験だろうと、そこに変わりはないわ」
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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 09:01| 司法試験入門問題

2019年04月03日

管理人の担保提供及び報酬

家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。とされている。
これは財産管理人によって、財産が毀損、消費されたり、財産管理人が返還義務を履行しないことによって、不在者や利害関係人に損害を与える恐れがあるためである。

一方、財産管理人としても、不在者の財産を無償で管理するわけではなく、相当な報酬を受け取ることができる場合もある。
これは、管理人と不在者との関係その他の事情により、家庭裁判所が決めることであり、財産管理人が当然に、報酬請求権を有していることを意味しているのではない。


次の条文のとおりである。

民法
(管理人の担保提供及び報酬)
第二十九条 家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。
2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 19:43| 民法

権利の変動 1−24 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、間違っているものは、どれか。

1、債権者代位権の要件を満たせば、債権者は、当然に、表意者である債務者に代位して、錯誤による取消を主張できる。

2、金銭支払い義務の存否について、争いが生じたが、和解により、金銭の支払いに代えて、一定の市場価値を有する缶入りジャムで代物弁済することが約束された。しかし、引き渡されたジャムが粗悪品であった場合は、債権者は錯誤による取消を主張できる。

3、他に連帯保証人がいると思って、保証契約を締結したが、実際には、連帯保証人が存在していなかった場合、保証契約を締結した者は、錯誤による取消を主張できる。

4、債権の差押え、転付命令を得た債権者と第三債務者との間の弁済方法について、和解が成立したが、転付命令自体が無効であった場合は、第三債務者は錯誤による取消を主張できる。

5、表意者が錯誤に陥っていることについて、相手方が悪意である場合は、表意者は、錯誤に陥ったことについて、重過失であったとしても、錯誤による取消を主張できる。


胡桃「これはどういう問題か分かるわね」
建太郎「錯誤に関する判例の知識を問う問題だな」

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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 08:54| 司法試験入門問題

2019年04月02日

不在者の財産管理人の権限

不在者の財産管理人の権限については次のように定められている

(管理人の権限)
第二十八条 管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。

※(権限の定めのない代理人の権限)
第百三条 権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

つまり、基本的に、保存行為、利用行為、改良行為のみをなしうるだけで、これを超える権限を行使するには、家庭裁判所の許可が必要になるということである。
管理人は、不在者の財産を現状のまま維持することを目的として置かれるものだからである。

では、不在者の相手方が提起した訴えに対して応訴することは、管理人が、家庭裁判所の許可無しでなしうるのか?
これについては、次の判例があるので抑えておこう。


 家庭裁判所が家事審判規則一〇六条一項により選任する相続財産管理人は、相続財産に関して提起された訴につき、相続人の法定代理人として、家庭裁判所の許可なくして応訴することができるものと解すべきである。(最判昭和47年7月6日)

posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 19:31| 民法

権利の変動 1−23 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものは、どれか。

1、Bの所有する土地について、Aが一番抵当権、Cが二番抵当権をそれぞれ有しているが、Bの詐欺により、Aが抵当権を放棄した。その後、Aが詐欺に気づき、抵当権の放棄を取消した場合、Aはこの取消を善意無過失のCに対抗できない。

2、Bは、Aを騙して同人所有の土地を買い受けて、後に、Bの債権者である善意無過失のCが、土地を差し押さえた。その後、AがBの詐欺を理由に売買契約を取消した場合、Aは取消の効果をCに対抗することができる。

3、BはAを騙して、同人所有の土地を買い受け、その事情を知らないCに転売し、登記も移転した。その後、AがBの詐欺を理由に売買契約を取消した場合、Aは、取消の効果を詐欺の事実について善意無過失のCに対抗することができる。

4、BはAを騙して同人所有の土地を買い受け、引き渡し、所有権移転登記を経た。その後、Aは、詐欺を理由に売買契約を取消したが、Bは登記名義が自己にあることを奇貨として、AB間の事情につき、善意無過失のCに当該土地を売却し、移転登記をした。Aは取消の効果をCに対抗することができない。

5、BはAを騙して、同人所有の動産を買い受け、引き渡しを受けた。Aは詐欺を理由に売買契約を取消し、占有改定による引渡しを受けたが、その後、Bは、この動産をAB間の事情について、善意無過失のCに売却し、現実の引渡しをした。Aは、取り消しの効果をCに対抗することはできない。


建太郎「むむっ……。細かいな」
胡桃「全部基本問題よ」

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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 09:01| 司法試験入門問題