2018年12月11日

保佐人の同意を要する行為 元本を領収し、又は利用すること。

保佐人の同意を要する行為は、下記の条文のとおりである。
一つ一つチェックしていこう。

一 元本を領収し、又は利用すること。

元本の領収とは、地代、家賃、利息等の法定果実を生じる財産を受領することである。
元本の利用とは、不動産の賃貸借契約や金銭消費貸借契約のように、法定果実の取得を目的としてなされる行為のことである。

つぎの点を確認しておこう。

・地代、家賃、利息等の法定果実を受領することは、保佐人の同意を要しない。
・また、不動産の賃貸借契約でも、九号に該当しない賃貸借、つまり、第六百二条に定める期間を超えない賃貸借については、保佐人の同意を要しない。

では、元本の領収に、ついて保佐人の同意を要するとしたのはどうしてだろうか?
これは、元本のようなまとまった財産が保佐人の同意なくして、受領すると浪費してしまう危険があるからとされている。

※参考条文

(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。
2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:42| 民法

被保佐人の行為能力の制限

被保佐人は、一定の財産上の行為については、保佐人の同意を要するとされており、同意を得ないでした行為については、取り消すことができる。
次の条文のとおりである。

(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。
2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:31| 民法

2018年12月10日

被保佐人の意義

被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、第十一条の要件に従って、保佐開始の審判を受けた者のことである。
次の通り。

(保佐開始の審判)
第十一条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。

したがって、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な状況にある者でも、保佐開始の審判を受けていなければ、被保佐人ではない。
保佐開始の審判を受けた者が精神能力を回復したとしても、保佐開始の審判の取り消しを受けなければ、被保佐人のままである。
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:07| 民法

後見開始の審判の取消し

後見開始の審判の原因が止んだ時は、家庭裁判所は、一定の者の請求により、後見開始の審判を取り消さなければならない。
次の条文の通り。

(後見開始の審判の取消し)
第十条 第七条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人(未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。)、後見監督人(未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。)又は検察官の請求により、後見開始の審判を取り消さなければならない。

※(後見開始の審判)
第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。


家庭裁判所の裁判官の職権で取り消すわけではないことを押さえておこう。

この取り消しも、審判でなされることから、取り消しの審判をするときは、明らかにその必要がないと認める時を除いて、本人の心身の状況について、医師その他の適当な者の鑑定を要する。

取り消しができるのは、意思能力が完全に回復した場合に限られるわけではない。事理を弁識する能力が著しく不十分である(被保佐人程度)という程度に回復した場合でも、後見開始の審判の取消しをすることができる。

posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:01| 民法

2018年12月03日

成年被後見人の法律行為の取り消し

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができるとされている。
次の条文の通り。

(成年被後見人の法律行為)
第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

但し書きにあるとおり、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、取り消すことができるとは限らない。
もちろん、意思能力がない状況では、日用品の購入その他日常生活に関する行為でも、無効であることは言うまでもない。

取り消しの対象となる行為は、財産上の法律行為に限られる。とされている。
つまり、身分上の行為については、成年被後見人といえども、意思能力があれば、単独ですることができ、成年後見人の同意も必要ない。
例えば、婚姻について次の規定が設けられている。

(成年被後見人の婚姻)
第七百三十八条 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。

成年被後見人のした財産上の行為について、取消権を行使しうるのは、誰か?
まず、成年後見人が取り消しうることは当然である。
次の条文の通り。

(取消権者)
第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

では、成年被後見人自身は取消権を行使できるのか?
通説は、成年被後見人自身も取り消しうるとしている。もちろん、取消権の行使も法律行為であるから、意思能力のあるときに行使する必要があることは言うまでもない。




posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:04| 民法

2018年11月30日

【公務員、宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法入門





【公務員、宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法入門 ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 (楽々合格国家資格試験ノベルズ(WEB限定版))


 社会人として最低限知っておきたい民法の知識をまとめました。

 民法は、人と人との契約関係などについて規定している法律です。
 社会人ならば、誰しも、様々な人々と契約関係を結んでいることになります。
 例えば、営業担当社員であれば、会社の商品をお客様に売るという形で、売買契約等を結んでいることでしょう。
 仕事が営業とは関係ない方でも、お昼の弁当を買うためにコンビニなどに行くことがあるでしょう。その場合は、弁当を購入するという売買契約を結んでいることになるのです。

 つまり、社会人として生活していくためには、民法に規定されている契約関係と無縁ではいられないのです。
 しかも、民法などの法律は、「知らないから関係ない」では済まされません。
 誰もが、民法の知識を有していることを前提とした規定になっているため、「民法を知らなければ、大損をする」のです。

 法学部で勉強した方でもなければ、民法の条文に触れる機会はないと思います。
 でも、社会人ならば、法学部出身でなくても、民法の知識は有していて当たり前なのです。

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 法律の勉強をしたことがない方でも読めるように、極力、平易な会話文で解説しています。


 次のような方に、本書をお読みいただきたいと思います。

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 □ 公務員試験を受ける方に民法の入門書として。

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●本書のレベル

 本書は、民法の入門書です。
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 このレベルの知識を本書によって身に着けることができます。
 本書をお読みいただいた後ならば、宅建士試験の権利関係のテキストが独学で読めるレベルになっていることでしょう。


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 これらのシリーズに取り掛かる前に、本書をご一読いただくと、理解しやすくなるはずです。


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 ライトノベルで学ぶ 民法入門は、『会話文形式で、すらすら読めるテキスト』です。

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●ライトノベルで学ぶ 民法入門 あらすじ

 宅建士資格すら有していないのに、突然、伯父の不動産会社を引き継ぐことになった宅本建太郎。彼は、元アイドルで恋人の司法書士桜咲胡桃の指導を受けながら、民法の基本知識を学んでゆく。

・主な登場人物

 宅本建太郎
 桜咲司法書士事務所補助者。宅建資格の勉強中。ひょんなことから伯父不動産王 宅本健一の莫大な遺産を相続することになる。『株式会社 宅本・オーガナイゼーション』の二代目会長兼社長に就任。

 桜咲胡桃
 宅建士。司法書士。桜咲司法書士事務所所長。宅本建太郎の上司にして恋人。元アイドルで可愛い顔立ちに、小柄ながらもB90 W60 H86と素晴らしいボディの持ち主。


●民法改正への対応について

 このテキストはいわゆる債権法や相続法分野の改正に対応しています。

 原則として、改正に従って、記述していますが、現行法で勉強する方にもお読みいただけるように、現行法の解説が必要な部分については、現行法にも言及しています。

 とりわけ、債権法改正により、大きく変わった分野については、試験で狙われる可能性が高いことを考慮し、現行法と改正法の違いを詳しく記述しています。


●著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

 大滝 七夕
 新潟県村上市出身。『大滝七夕』は、ネット小説・著作限定のペンネームで本名や作家名ではない。
 法学部在学中から資格試験の勉強を始め、宅建、行政書士、司法書士の資格試験に独学で一発合格。大学卒業後は、都内の行政書士事務所、法律事務所等に勤務する傍ら、法律雑誌の記事や小説を執筆。その後、某新人賞に応募して、作家デビュー。法律知識と実務経験をもとにしたリーガルサスペンス、ファンタジー、武侠小説などを執筆している。
 行政書士として開業しており、十数年以上にわたり、建設業、宅建業の後継者問題、事業承継を専門的に手掛けている。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 判例六法ラノベ化プロジェクト
 小説を読む感覚で、隙間時間にすらすらと読めて、なおかつ、『ハイレベルな』教材を開発しようと集まったベテランの実務家(弁護士、司法書士、行政書士、宅建士等)と資格スクール講師の集団。日々、試行錯誤しながら、新しい教材を開発中!
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 19:20| ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説

2018年11月29日

成年後見人による郵便物等の管理

成年後見人は、成年被後見人に宛てた郵便物を管理する権限を有している。
次の条文のとおりである。

(成年後見人による郵便物等の管理)
第八百六十条の二 家庭裁判所は、成年後見人がその事務を行うに当たって必要があると認めるときは、成年後見人の請求により、信書の送達の事業を行う者に対し、期間を定めて、成年被後見人に宛てた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条において「郵便物等」という。)を成年後見人に配達すべき旨を嘱託することができる。
2 前項に規定する嘱託の期間は、六箇月を超えることができない。
3 家庭裁判所は、第一項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、成年被後見人、成年後見人若しくは成年後見監督人の請求により又は職権で、同項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。ただし、その変更の審判においては、同項の規定による審判において定められた期間を伸長することができない。
4 成年後見人の任務が終了したときは、家庭裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。


第八百六十条の三 成年後見人は、成年被後見人に宛てた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。
2 成年後見人は、その受け取った前項の郵便物等で成年後見人の事務に関しないものは、速やかに成年被後見人に交付しなければならない。
3 成年被後見人は、成年後見人に対し、成年後見人が受け取った第一項の郵便物等(前項の規定により成年被後見人に交付されたものを除く。)の閲覧を求めることができる。

posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:18| 民法

成年後見人の身上配慮義務

成年後見人には、成年被後見人の身上について配慮すべき義務が課せられている。
次の条文のとおりである。

(成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮)
第八百五十八条 成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。


posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 21:15| 民法