2019年03月19日

不在者の制度

民法において、不在者とは、従来の住所又は居所を去って容易に帰る見込みのない者を意味する。
この場合、不在者が放置した財産を管理する必要があり、これについて定めたのが、民法第二十五条以下の規定である。

わざわざ不在者の財産を環理するための規定をおいたのは、不在者自身の権利を保護するためということもあるが、不在者の債権者や推定相続人の法律上の利益を保護するという意味合いが強い。

※参考条文

民法
(不在者の財産の管理)
第二十五条 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。
(管理人の改任)
第二十六条 不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。
(管理人の職務)
第二十七条 前二条の規定により家庭裁判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。
2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察官の請求があるときは、家庭裁判所は、不在者が置いた管理人にも、前項の目録の作成を命ずることができる。
3 前二項に定めるもののほか、家庭裁判所は、管理人に対し、不在者の財産の保存に必要と認める処分を命ずることができる。
(管理人の権限)
第二十八条 管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。
(管理人の担保提供及び報酬)
第二十九条 家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。
2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 22:25| 民法

権利の変動 1−16 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、間違っているものはどれか。

1、Aは、真意に反して自己所有地をBに譲渡する旨の意思表示をした。BがAの真意について、善意無過失であれば、Bから同地を譲り受けたCは、悪意であっても、土地所有権を取得する。

2、Aは、Bに対する債権をCに譲渡した事実がないのに、Cに譲渡した旨の通知をBに対して為した。右事実につき、Bが善意無過失である場合は、Aの通知は有効である。

3、Aから土地売却の代理権を与えられたBが、売却代金を持ち逃げする意図で、Cとその土地の売買契約を締結し、Cより受領した代金をもって行方をくらませた。CがBの意図を知ることができた場合は、CはAに対して、土地の引渡し請求をすることができない。

4、AB間の売買契約につき、Aの意思表示に要素の錯誤が存したところ、A自身は、自己の錯誤を認めているものの意思表示の取消を主張する意思はない。この場合に、Aの債権者Xは、Aに対する債権を保全するために、Aの意思表示の取消を主張することができる。

5、AB間の売買契約につき、Aの意思表示に要素の錯誤が存したところ、Aに錯誤に陥ったことにつき、重過失が存した場合は、たとえ、BがAの錯誤につき悪意でも、Aの取消の主張は許されない。


建太郎「むむっ……。一つ一つ事案を把握しないといけないな」
胡桃「でも、どの選択肢も基本的なことを聞いているだけよ」続きを読む
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 08:51| 司法試験入門問題

2019年03月18日

法学教室 2019年 03 月号



特集 法学の学び方を振り返る
第1部 書く力・学ぶ力をブラッシュアップする
法学教室3月号は,年度末ということで,法学の学習法について振り返る特集を組みます。講義・ゼミ・レポート・試験といった場面でよりよい学習をするためのヒントが満載です。法学が得意な人も苦手な人も,ステップアップするために是非どうぞ。
また,時事的なトピックについて法改正に関連し,「成年年齢」についてと,「ビッグ・データの不正利用行為規制」を入れた不競法改正について,と2つの記事を掲載。そのほかも充実の記事・好評連載が盛りだくさん。最終回を迎える連載にもご注目ください。法学教室3月号,どうぞご一読ください。






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posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 20:07| 専門雑誌のご案内

権利の変動 1−15 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、相手方のない単独行為は、通謀の可能性がないから、財団法人設立を目的とする寄付行為について、虚偽表示の規定が適用されることも類推適用されることもない。

2、消費貸借契約は、要物契約である。よって物の授受がない場合は契約が成立しないため、虚偽表示の規定が適用されることはない。

3、土地の仮装譲受人から、その土地上の建物を賃借した者が、土地の仮装譲渡について善意である場合でも、土地の仮装譲渡人は、建物の賃借人に建物退去、土地明け渡し請求をすることができる。

4、土地の仮装譲受人の一般債権者が譲渡時に善意であれば、差押え時に悪意であっても、土地所有者は、差押えの無効を対抗することはできない。

5、仮装債権の善意の譲受人に対して、債務者は、債権譲渡の通知を受けたにとどまる場合でも、債務の不存在を主張することはできない。


胡桃「何の問題か分かるわね」
建太郎「虚偽表示の問題だな」続きを読む
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 09:17| 司法試験入門問題

2019年03月16日

法学セミナー 2019年 03 月号 [雑誌]





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2019年03月14日

権利の変動 1−14 #司法試験 入門 択一式 #民法 オリジナル問題

次の用語を三つのグループに分類せよ。

1、弁済受領の拒否
2、代理権授与表示
3、期限の利益の放棄
4、無権代理の本人の追認拒絶
5、時効更新事由の承認
6、時効完成猶予事由としての催告
7、無権代理行為の相手方の催告
8、相続の承認

胡桃「どういう意味か分かるかしら?」
建太郎「むむっ……。これは」続きを読む
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2019年03月13日

居所、仮住所

居所、仮住所については次の条文のとおりである。

民法
(居所)
第二十三条 住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。
2 日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。ただし、準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は、この限りでない。
(仮住所)
第二十四条 ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。


居所とは、生活の本拠とは言えないものの人が多少の時間、継続して居住する場所のことである。
条文に定められている通り、一定の場合は、住所とみなされる。

仮住所は、当該取引関係についてだけ住所とみなされる場所のことである。
法律行為の当事者が、特定の法律行為について、取引の便宜のため、一定の場所を借りの住所と定めたような場合である。この場合、仮の住所を住所としてみなして良いということである。
posted by 判例六法ラノベ化プロジェクトチーム at 22:07| 民法

ビジネス法務 2019年 04 月号






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