民法78 判例六法問題 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とが共同抵当となっている場合

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★今日の問題★
次の記述の正誤を答えよ。

債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権から優先して弁済を受けることができる。

10秒で考えよう。よーいドン!

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★今日の解説★

正しい。
 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、物上保証人は債務者に対して求償権を取得するとともに代位により債務者所有の不動産に対する一番抵当権を取得するが、後順位抵当権者は物上保証人に移転した右抵当権から優先して弁済を受けることができるものと解するのが、相当である。(最判昭和53年7月4日)

 なぜなら、後順位抵当権者は、共同抵当の目的物のうち債務者所有の不動産の担保価値ばかりでなく、物上保証人所有の不動産の担保価値をも把握しうるものとして抵当権の設定を受けているのであり、一方、物上保証人は、自己の所有不動産に設定した後順位抵当権による負担を右後順位抵当権の設定の当初からこれを甘受しているものというべきであつて、共同抵当の目的物のうち債務者所有の不動産が先に競売された場合、又は共同抵当の目的物の全部が一括競売された場合との均衡上、物上保証人所有の不動産について先に競売がされたという偶然の事情により、物上保証人がその求償権につき債務者所有の不動産から後順位抵当権者よりも優先して弁済を受けることができ、本来予定していた後順位抵当権による負担を免れうるというのは不合理であるから、物上保証人所有の不動産が先に競売された場合においては、民法三九二条二項後段が後順位抵当権者の保護を図つている趣旨にかんがみ、物上保証人に移転した一番抵当権は後順位抵当権者の被担保債権を担保するものとなり、後順位抵当権者は、あたかも、右一番抵当権の上に民法三七二条、三〇四条一項本文の規定により物上代位をするのと同様に、その順位に従い、物上保証人の取得した一番抵当権から優先して弁済を受けることができるものと解すべきであるからである。(最判昭和53年7月4日)

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□ 民法の問題の解き方を会話文形式で解説する画期的な問題集です!

 本書の最大の特徴は、解説が、「会話文形式」になっていることです。
 講師役の桜咲胡桃(司法試験合格済みの司法書士)が、生徒役の宅本建太郎(宅建すら合格していない)に個人レッスンするという設定で、話が進みます。
 つまり、本書の会話文を追うことで、「ベテランの講師から民法問題の解き方の個人レッスンを受けている」のと同様の効果が得られます。

□ 合格者の思考方法が身につく!

 解説は、合格者が問題を前にした時にどのような思考を辿って、正答にたどり着いているのかを会話文形式で表現しています。解説を読むことによって、合格者と同じ思考方法を身につけることかできます。

□ 問題そのものを丸暗記すべき良問を選抜!

 本書に掲載している問題は、「【司法試験予備試験入門・司法書士・行政書士・宅建士試験対応】民法 肢別100問ドリル オリジナル問題集シリーズ」から選抜しています。この問題集には、無駄な問題はなく、丸暗記すべきものばかりですが、その中から、絶対に押えなければならない基本的な事項を選びました。
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