民法79 判例六法問題 譲渡担保設定者の権利

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★今日の問題★
次の記述の正誤を答えよ。

譲渡担保を設定すると、所有権が、譲渡担保権者に移転し、設定者は、形式上所有者ではないことになる。しかし、設定者は、正当な権原なく譲渡担保の目的物件を占有する者に対し、その返還を請求することができる。

10秒で考えよう。よーいドン!

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★今日の解説★

正しい。
 譲渡担保は、債権担保のために目的物件の所有権を移転するものであるが、所有権移転の効力は債権担保の目的を達するのに必要な範囲内においてのみ認められるのであつて、担保権者は、債務者が被担保債務の履行を遅滞したときに目的物件を処分する権能を取得し、この権能に基づいて目的物件を適正に評価された価額で確定的に自己の所有に帰せしめ又は第三者に売却等することによつて換価処分し、優先的に被担保債務の弁済に充てることができるにとどまり、他方、設定者は、担保権者が右の換価処分を完結するまでは、被担保債務を弁済して目的物件についての完全な所有権を回復することができる。(最判昭和46年3月25日、昭和57年1月22日)
 そのため、正当な権原なく目的物件を占有する者がある場合には、特段の事情のない限り、設定者は、前記のような譲渡担保の趣旨及び効力に鑑み、占有者に対してその返還を請求することができるものと解するのが相当である。 (最判昭和57年9月28日)

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