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★今日の過去問★
債権者は、特別の事情によって生じた損害のうち、契約締結当時、両当事者がその事情を予見していたものに限り、賠償請求できる。
胡桃「正しいか間違っているか考えてみてね。10秒で。よーいどん!」
建太郎「おう」
1秒
2秒
3秒
4秒
5秒
6秒
7秒
8秒
9秒……
胡桃「10秒経過。分かったわね」
建太郎「うーん。よくわからん」
胡桃「前回の続きだけど、私がいったん、以前の部屋に引き返した後で、もらい火による火災に巻き込まれて、家財の一切を失ってしまったとするわ。そんな時、私としては、『さっさと引っ越ししていれば、火災に巻き込まれずすんだのよ!火災に巻き込まれた分も賠償請求させていただくわ』と言いたくなるわ。分かるかしら?」
建太郎「気持ちは分かるけどさ。そんな要求に応じていたら、なんでもありになっちゃうじゃん」
胡桃「そう思うでしょ。つまり、特別の損害に関しては、一定の歯止めをかけるべきなのよね。そこで、民法第四百十六条2項よ」
民法
(損害賠償の範囲)
第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
建太郎「『特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。』とされているわけだね」
胡桃「ただ、条文をそのまま読んではだめよ」
建太郎「えっ?そうなの?」
胡桃「判例では、当事者というのは、債務者のことと解しているのよ。債務者が債務不履行をしようという時に、債権者に特別の損害が生じるだろうと予見していたならば、それによって生じた損害を債務者が賠償すべきだということなのよ」
建太郎「なるほど、当事者というのは、債務者のみなのか」
胡桃「もっとも、この条文に関しては、保護範囲説と言って、当事者とは文字通り、債権者と債務者のことだと解釈する学説もあるけど、判例は相当因果関係説と言って、当時者とは債務者のことを指すとしているわ。この問題では、判例の立場を問うているわけだから、誤りということになるわ」
建太郎「うーん。難しいな。今、胡桃の話したことって、宅建レベルを超えているよね?」
胡桃「超えているわ。でも、正解を見つけるためだけならば、私が話したことを理解していなくても大丈夫よ」
これで民法が解けなければあきらめてください!
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□ 民法の問題の解き方を会話文形式で解説する画期的な問題集です!
本書の最大の特徴は、解説が、「会話文形式」になっていることです。
講師役の桜咲胡桃(司法試験合格済みの司法書士)が、生徒役の宅本建太郎(宅建すら合格していない)に個人レッスンするという設定で、話が進みます。
つまり、本書の会話文を追うことで、「ベテランの講師から民法問題の解き方の個人レッスンを受けている」のと同様の効果が得られます。
□ 合格者の思考方法が身につく!
解説は、合格者が問題を前にした時にどのような思考を辿って、正答にたどり着いているのかを会話文形式で表現しています。解説を読むことによって、合格者と同じ思考方法を身につけることかできます。
□ 問題そのものを丸暗記すべき良問を選抜!
本書に掲載している問題は、「【司法試験予備試験入門・司法書士・行政書士・宅建士試験対応】民法 肢別100問ドリル オリジナル問題集シリーズ」から選抜しています。この問題集には、無駄な問題はなく、丸暗記すべきものばかりですが、その中から、絶対に押えなければならない基本的な事項を選びました。
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